大栗先生の超弦理論入門 | 大栗博司 | ブルーバックス

今回は、大栗博司先生のこちらの本をレビューしていきます!!

ブルーバックス:大栗先生の超弦理論入門

この記事を書いた人
ゆか

科学者になることを目指して、日々大学院で修行しているゆかです!専門は有機化学

大学院生になってブルーバックスに爆ハマりした人!

【本を読む前のゆかの知識レベル】

高校の時の履修科目物理・化学
大学入試で用いた科目物理・化学
大学の教養課程でとった科目力学・電磁気学
量子化学

上記の通り、理系大学生がよく履修する科目は習っていますが、物理は本当に苦手です。大学の力学はギリギリ特単のラインでした(汗)

こんな感じのレベルの人が、こちらの本を読んだ感想を書いていきます

目次

概要

「超ひも理論」や「超弦理論」というものを知っていますか?「世界はひもでできている!?」というフレーズのインパクトから、もしかしたら名前だけ知っている人も多いのではないでしょうか。(私も中学生の時にサイエンス関連の本を見て、こんな理論があるのかーと漠然と名前だけは知っていました。)

ただ、「超弦理論」というのは現代物理学における究極のテーマ。「量子力学と重力理論の統合」を目指したものらしい。量子力学、重力理論、単体でも難解すぎるのに、それを統合を目指したものなんてとてもじゃないけど素人には難しすぎる。

にもかかわらず、最先端で超弦理論の研究をなされている大栗先生が素人に向けて、数式も使わずに誰にでもわかるように「超弦理論」について説明してくれました。

大栗先生が案内する「超弦理論」の世界にぜひ飛び込んでみましょう!!

感想

本当にすごい…。すごすぎる。超弦理論というトップレベルに難しい内容を数式もほとんど使わずに、素人にわかった気にさせてくれた。こんな難しい理論を「わかった気に」させてくれるだけですごすぎるんよ、本当に。素人にも「超弦理論」の世界を見させてくれた大栗先生に大感謝です。

それで「超弦理論」の世界を見させてもらった感想を書いていきたいところなんだけど、壮大すぎて正直表せません。「すごい」っていう言葉しか出てこないんですよね。古典物理から現代物理、そして究極の理論である「超弦理論」に至るまで、それに携わった偉人や経緯、理論(ちょーわかりやすい!)の説明を交えて、その世界に連れて行ってくれました。読み始めてから読み終わるまで、ずっとワクワクというかドキドキというか、物理学のすごさ?面白さ?に終始興奮してました。

だから「すごい」っていうことしか言えなくて、内容について上手い感想が正直述べられていないんだけど…この本について3つだけ特に残したいなって思うことがあるから、それを書いていきます。(他にもあるのだけど描ききれないのでここでは3つにとどめます笑)

1. 「超ひも理論」ではなく「超弦理論」!その意味がわかりました。

今回解説してくれている「超弦理論」は、「超ひも理論」とも呼ばれていたりします。(むしろ、「超ひも理論」で認知している人の方が多いのではないでしょうか?私もそうでした。一般的な解説書ではひもという方が多く使われているように感じます)

ただ、専門家の中では、ピンと張って振動するイメージのある「超弦理論」を使うのが一般的なようです。

今回大栗先生は、専門家が使う「超弦理論」を用いて解説してくれました。(一般の方が、「超弦理論」と「超ひも理論」って同じ理論なの!?って混乱しないようにあえて専門家が使う用語を使用してくれたようです)

そのような理由から「超弦理論」という言葉を使ってくれていたわけですが、本書を読み進めるほどなんで専門家の方がひもではなく弦という言葉を使っているのかわかるようになりました。読み終わった頃には、確かに「超弦理論」の方がしっくりするなって感じにはなれました。

2. 現実世界で伏線回収!!すごすぎるよー

この本は2013年に出版されました(私が読んだのは2024年です)。この本の中に、宇宙誕生の解明の鍵となる「重力波」に関する記述があり、「現在重力波を観測するプロジェクトが進んでいます」という内容が書かれていました。

で、この本出版の3年後、2016年、ついに重力波観測の発表がありました。それを知っていたので、すごい!伏線回収してる!って思ったんですよね。今私たちが生きている世界で、仮説の証明が実験的に得られているのが、すごいなって興奮してしまいました。

3. 現役の科学者の方からお話を伺えるのは贅沢すぎるよー

本当にタイトル通りなのですが、この本、贅沢すぎます。

実際にその研究をしている人しかわからないこととか、世界観ってあると思うんですよね。(こればっかりは、どれだけ解説書を読んだとしても実感するのが難しい部分だと思うんですよね。)それを、実際に研究されている科学者の方から本という媒体を通じて、実感できるなんて贅沢すぎる…って思いました。(今回科学者たちの似顔絵だけは大栗先生直々に書かれているのも贅沢ポイントですよね。)

しかも、それを母国語の日本語で読めるのもすごい!(しかも、大栗先生と講談社さんの努力もあり、1000円くらいで読めてしまうのもすごすぎる…これは全部のブルーバックスに共通することなんだけどね)

大学院生になって思ったことなんだけど、通常、最先端のことを学ぼうと思ったら、論文を読むわけなのだけど、その論文というのもなかなかお高いし、言語が英語。新しいことを非母国語で学ぶってなかなかハードル高いんですよね。それを母国語で読めるのって、大栗先生とかが日本語で執筆してくれて(しかも素人にもわかるようにちょーわかりやすく)、それを実現してくれている講談社さんのおかげなんやなーって思うようになりました。本当に感謝です!

おすすめしたい人・難易度

おすすめしたい人

全員!!面白すぎる!最先端の物理の世界を見れるなんて贅沢すぎる!

とりあえず、全員電子書籍の試し読みで「はじめに」を読んでほしい。私はそれを読んでこの本をすぐ購入しました。

難易度 (4段階評価)

入門・高校レベルの知識必要かな…?・大学レベルの知識必要・めっちゃ難しい

自分が中学生の頃にこの本を読んだらちょっと難しいかな…?って思って上記レベルにしました。(本当にわかりやすく書かれているからすごく手に取りやすい本なんだけど、力学とか波とか電磁気の基礎、さらに無限とかの数学の基礎があるともっと楽しめるのかな…って思いました!もし、文系で物理学んだことないけど楽しめました!!とかいう人がいたら教えてくれると嬉しいです!!)

おまけの感想

私は小学生の頃から科学者になりたくて大学卒業後、修士課程、博士課程と頑張っている途中なわけなのですが…

なんで科学者になりたいかっていうと「かっこいいから」なんですよね。そんな単純な理由って思われるかもしれないのですが、無性に憧れがあります。

その憧れとかかっこいいって思う感情をさらに深掘りしていくと、小学生とか中学生の頃、親が理化学研究所の一般公開とかさまざまな博物館とか連れて行ってくれた時に、科学ってすごいな。それを研究されている科学者って本当にすごいなって体感したからだと思うんです。(今でもぼんやり覚えている公演が、ニホニウムを発見された森田先生のお話です。9年間で3回 !?と幼いながらにもすごいって衝撃を受けました)

で、前置きが長くなってしまったのですが、この本を読んだ時にもその時に感じたような「かっこいい」って胸が熱くなりました。激アツ、ホットな超弦理論の世界をわかりやすく説明してくださった大栗先生に大感謝です!!(最近自分の専門ばかり勉強することが多かったので、このように違う分野で胸が熱くなれたこと、本当に楽しかったし嬉しかったです。)

補足

この本を読み終わった後に、次私が読みたいと思ったのはこの本。

超弦理論の形成までにkeyの人物となる南部先生の伝記。大栗先生の本でも何回も登場しました。この本を読み終わった後なら、「早すぎる男」というタイトルの意味がわかるようになりました。読むのが楽しみです。

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