マンガ 物理に強くなる 力学は野球より優しい | ブルーバックス

今回は、関口知彦先生(鈴木みそ先生:漫画)のこちらの本をレビューしていきます!!

ブルーバックス:マンガ 物理に強くなる 力学は野球より優しい

この記事を書いた人
ゆか

科学者になることを目指して、日々大学院で修行しているゆかです!専門は有機化学

大学院生になってブルーバックスに爆ハマりした人!

【本を読む前のゆかの知識レベル】

高校の時の履修科目物理・化学
大学入試で用いた科目物理・化学
大学の教養課程でとった科目力学・電磁気学
量子化学

上記の通り、典型的な理系大学生の履修です!高校では物理を習って大学入試でも物理を用いました。

こんな感じのレベルの人が、こちらの本を読んだ感想を書いていきます

目次

概要

「力学は野球より優しい!?」

物理が赤点で留年しそうな野球部エース、デンチューくんと学年トップの久保さんが、野球を題材に赤点回避を目指して力学について学んでいきます。

野球のボールを投げる、打つ、捕ることができるのは、すでに物理の原理を体で覚えているから!

高校の教壇に立っている関口先生が、野球×マンガで力学についてわかりやすく解説してくれました!(高校物理ではじめに習う力学。難しいって思われがちだけど、こんなふうに野球×マンガだととっかかりやすくていいね!)

感想

力学の最初の一冊目に本当におすすめ!

高校入学して物理を習いますってなった時に、多くの人が力学から習い始めると思うんですよね。それで、教科書の最初の方ページから順番に習い始めていくと思います。(おそらくはじめに相対速度やって、その後自由落下運動やってという感じだったかな、だいぶ昔の話になるので違ったらすみません笑)

その時の記憶を思い返すと、相対速度とかを習っていた時に、「力学ってどのような分野なのか、力学はどのようなことを考えられるようになるのか」という全体像を把握できていなかったなって思うんですよね。おそらく、そういう人多いのではないでしょうか。そのような中で、どこかの単元でつまずいて、もう物理無理、嫌いというふうになってしまう人も多いのではないでしょうか。

この本を力学の最初の1冊目におすすめするのは、力学の全体像を把握するのにぴったりだと思ったからです。もちろん、力学を始めて学ぶ人にとっては、途中で出てくるma=Fとかは難しいと思います。個人的にはその時分からなくても良くて、どんどん進んでいっていいと思います。ただ、「力学を学ぶとこういうことも考えられるようになるのか!」というのを野球×マンガというとっかかりやすい題材で理解できるのはいいなと思いました。(それで、ma=Fとかは授業で出てきたら改めてちゃんと学べばいいんです!私も学び始める前に全体像を理解できてたらよかったなって思います笑)

あと何よりもいいなと思ったのが、単位に関する記述がしっかりあったことです。

おそらく、物理とか化学とか苦手な人って計算する時に「単位」を意識していない人が多いと思うんですよね。

(マジで「単位」を考えるって大事です!私の時代は今はなき「センター試験」だったのですが、6個くらいの選択肢の中から1つ正しいものをマークするという形式の問題が多く出題されました。その選択肢の中に、「単位」を考えるだけで明らかに不正解とわかるものも紛れていました。それくらい、単位は大事で、単位を考えると求めたいものが見えてきます!!)

こんな感じで、本当に力学の1冊目におすすめしたいなって思いました!(あと高校の先生が執筆されているっていうのもおすすめポイントです!学生の物理の苦手状況(笑)を理解されている先生が書くだけあって、わかりやすいなって思いました)

おすすめしたい人・難易度

おすすめしたい人
  • これから力学を学び始めるよ!って人
  • 高校で物理学んだけど、ちょっと難しいって思っている人

こんな人におすすめです!野球を題材に力学の凄さを実感してほしいな!凄さを知ると物理も楽しくなる気がします。

難易度 (4段階評価)

入門・高校レベルの知識必要・大学レベルの知識必要・めっちゃ難しい

ぜひ、初学者にこそ手に取ってほしい一冊です!

おまけの感想

高校の先生に届け!!

高校入試が終わった後、高校入学までの期間に入学前課題みたいなのってありませんでしたっけ?(昔の記憶すぎて曖昧なのですが、そんなものがあった気がします笑)

おそらく、ワークとか簡単な参考書のような課題が出されていたと思うのですが、その代わりに「この本を読んでくる」という課題はどうでしょうか!

この本を書かれている関口先生は「物理を選択する生徒の減少している」ということを記載していました。やっぱり、難しいイメージがあるんですかね。(私の行った高校は確か物理が必修だった気がする、選ぶ余地がなかったけど結果的に学んでおいてよかったって思ってます笑)

もちろん、どの科目を選択するかというのは学生の自由だと思いますが、このような本を読んで「物理ってこんなことできるんだ、物理やってみようかな」という興味を持つきっかけになれたらいいのかなと思いました。(大学院生の独り言です笑)

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